カイ・ニールセンの世界徹底解剖!100年色褪せない幻想挿絵の魅力と最新画集
カイ・ニールセン(Kay Nielsen, 1886, 1957)は、デンマーク・コペンハーゲンの演劇界の名門に生まれました。父は劇場の総支配人、母は名女優という環境で育った彼は、幼少期より舞台芸術の劇的な演出手法や華麗な衣装、照明効果に親しんで育ちました。この生い立ちが、後に彼が創り出す画面の「舞台空間のような構築美」の根幹を形作ることになります。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、イギリスを中心にアーサー・ラッカムやエドマンド・デュラックらが活躍した「挿絵黄金時代」。その中にあってニールセンの作風は、とりわけ異彩を放っていました。パリのアカデミー・ジュリアンで学んだ彼は、当時ヨーロッパを席巻していたオーブリー・ビアズリーの白黒の線描美、さらにはアール・ヌーヴォーのうねるような有機的ラインを吸収。そこへ日本の浮世絵が持つ大胆な余白の処理を取り入れることで、誰にも真似できない耽美的な絵世界を完成させたのです。
Tags: