ケサランパサラン本物の正体とは?大量発生の謎と植物・動物説を徹底解剖
ケサランパサランにまつわる最大のロマンであり謎とされてきたのが、「桐の箱に入れ、白粉(おしろい)を与えておくと増殖する」「年に2回以上見ると効果が消える」といった飼育ルールです。この一見荒唐無稽な儀式にも、古人の観察眼に基づいた驚くべき整合性があります。
かつての江戸・明治期のおしろいは、現代の鉱物系・ケミカル系ファンデーションとは異なり、米粉(米のデンプン)や鉛白、炭酸マグネシウムを原料として作られていました。もし保管していたケサランパサランが「動物性の毛玉」だった場合、おしろいとして振りかけられた有機物(デンプン等)をエサにして、目に見えないカビの菌糸や衣類害虫の幼虫が繁殖します。
湿気を嫌う桐箱の中で、カビの白い菌糸が獣毛の周囲にじわじわと発達することで、数ヶ月後、あるいは数年後に箱を開けた持ち主の目には「毛玉が一回り大きくなり、子供を産んで増えた」ように映ったのです。生物の活動を肉眼で確認できなかった時代、目に見えない微生物の働きを「妖怪の成長」として捉えた先人たちの豊かな想像力が、この魅力的な伝説を完成させました。
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