マイケルジャクソンの倒れるやつは何?ゼロ・グラヴィティの仕組みと特許の正体
実は、この反重力傾斜の実現方法は「ミュージックビデオ(MV)」と「実際のライブツアー」で異なっています。映像作品としての表現と、何万人もの大観衆が見守る生ステージでの演出では、求められる技術が根本的に違っていたためです。
| 披露された舞台 | 採用された仕組み・トリック | 特徴と運用の実態 |
|---|---|---|
| MV『スムース・クリミナル』 (1988年) | 特殊ハーネスとピアノ線(ワイヤー) | 腰回りをワイヤーで吊り下げて前傾。カメラアングルやライティングで線を完全に消し去った。 |
| 『デンジャラス・ツアー』以降の生ライブ (1992年〜) | 床から飛び出るピン+専用ヒールスロット(特許取得) | ステージ床からせり上がるボルト状の突起に、靴底のV字スリットをスライドさせて結合・ロックする。 |
1988年の映像収録時は、腰に巻いたハーネスと極細のワイヤーを用いて傾斜を作り出していました。しかし、完全主義者であったマイケルは「この奇跡の瞬間を生のコンサートで、ファンの目の前で忠実に再現したい」と強く熱望します。ワイヤーを天井から吊るす大掛かりなセットは、目まぐるしく展開するスタジアムライブの動線では不可能です。そこで考案されたのが、床と靴を物理的にドッキングさせるという画期的なシステムでした。
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