人体の不思議展の歴史と現在地|ハーゲンス氏死去で振り返る騒動の全真相

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「人体の不思議展」を語る上で欠かせないのが、ドイツの解剖学者グンター・フォン・ハーゲンス氏が1977年にハイデルベルク大学で開発した「プラスティネーション(Plastination)」技術です。従来のホルマリン漬け標本とは異なり、組織内の水分と脂肪をアセトンで置換した後、真空状態でシリコンやエポキシ樹脂などのポリマーを浸透・硬化させるこの技術は、無臭で乾燥し、腐敗しない半永久的な人体標本の作製を可能にしました。

ハーゲンス氏は自らプロデュースした巡回展「ボディ・ワールド(Body Worlds)」を立ち上げ、1995年に日本で初開催された「人体の世界」展を皮切りに世界中で大ヒットを記録します。生々しい死の匂いを消し去り、筋肉や内臓の構造を鮮明に可視化した展示は、それまで医療関係者しか立ち入ることができなかった解剖学の世界を一般大衆へ開放したと評されました。バスケットボールを投げるポーズやチェスを指す姿など、動的なポーズをとらせた標本は「科学と芸術の融合」として喝采を浴びたのです。

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