石原裕次郎の遺作『北の旅人』病床レコーディングの真実と最後の歌声の全貌

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『北の旅人』の歌詞を手掛けたのは、数々のヒット作を世に送り出した直木賞作家・山口洋子さんです。函館、小樽、釧路といった北海道の港町を舞台に、去りゆく男の哀愁と消せない面影を描いたリリックは、裕次郎さんの持つ包容力と影のあるダンディズムに見事に調和しました。

常夏のハワイの青空の下で、遠く離れた凍てつく北国の情景を歌うというコントラストは、裕次郎さんの感性をより鋭く研ぎ澄ませたとも言われています。弦哲也さんが紡ぎ出した情緒豊かなマイナー調のメロディラインは、無理に声を張り上げることなく、低音の繊細なヴィブラートと息づかいを活かせる構成となっていました。

言葉を一つひとつ噛みしめるような裕次郎さんの歌唱は、単なる失恋歌を超え、自らの人生の旅路を振り返りながら遠く彼方を見つめるような崇高な響きを獲得していました。

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