水平線上の陰謀の犯人とトリックの全貌!二重殺人と船上沈没劇の伏線を徹底解説
本作のミステリー構造を際立たせているのが、日下達也による「綿密だが粗削りなアリバイトリック」と、それを完全に把握して利用した秋吉美波子の「冷徹な上書き」です。日下はテープレコーダーの再生音と船内電話の転送機能を利用し、自室にいながらにして八代貴江を殺害し、さらに延太郎を海へと突き落としたと信じ込んでいました。
日下のアリバイトリックの根幹は以下の手順で組み立てられていました。
- 貴江の部屋に呼び出しの電話をかけ、あらかじめ録音していた会話テープを再生して外部との接触を偽装。
- 自室の電話を留守番電話設定にし、コナンたちが訪ねてきた際に部屋の中から応答しているように錯覚させる遠隔応答。
- 部屋から抜け出し、貴江を刺殺した後に延太郎を甲板から突き落とすという強行策。
しかし、日下が貴江の部屋に踏み込んだとき、貴江はすでに息絶えていました。日下の復讐心に気づいていた秋吉美波子が計画を先回りし、日下より先に貴江の客室へ侵入して彼女を刺殺していたのです。驚愕した日下は、自分が犯人であるかのように見せかけるため、息絶えた貴江の遺体にさらに刃物を突き立てました。結果として、日下は「自分が殺した」と思い込まされたまま、秋吉の完全犯罪のスケープゴートへと仕立て上げられていったのです。
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