伊勢忍者キングダムの現在と閑散のリアル|城郭ホテル計画の幻と現地の異様な光景
同園の再生ストーリーにおいて、最も世間の耳目を集めたのが2017年に発表された「城郭ホテル構想」だった。山頂に建つ実物大の再現安土城天守閣を改装し、最上階の金箔の間を「1泊500万円」の最高級スイートルームとして富裕層向けに提供するという前代未聞の計画である。
国内外のメディアでも大々的に報じられたこの構想は、当時のインバウンドブームの波に乗り、地方創生の先進事例として持て囃された。城内に露天風呂を備え、信長時代の絢爛豪華な生活を追体験できる宿泊体験は、実現すれば唯一無二のキラーコンテンツになるはずだった。
しかし、計画は水面下で頓挫していた。建築基準法や消防法における宿泊施設としての厳格な安全基準、文化財仕様で建てられた特殊建築物の改修コスト、さらには高台にある天守閣へのインフラ供給など、構造的障壁が次々と露呈。当初予告されていた開業予定時期を過ぎても工事が本格化する気配はなく、いつしか公式発信からも「城郭ホテル」の文字は静かに消え去っていった。結果として、壮大なアドバルーンは実態を伴わないまま、施設への投資余力を奪う形となった。
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