立正大淞南高校はなぜスポーツ強豪なのか?野球・サッカー両立の真相
立正大淞南のアイデンティティを語る上で欠かせないのが、硬式野球部を率いる太田充監督の長期政権と、サッカー部が掲げる「アグレッシブなプレッシングと縦への推進力」だ。二つの部活動はアプローチこそ異なるものの、根底にある育成論には共通する芯が通っている。
チームを率いて19年目の節目を数えた夏の甲子園において、チームは長崎日大を相手に中盤で粘り強い攻防を演じながらも初戦で惜敗した。試合後、太田監督は「3年生が置いていった土産を受け継いでいかなければ」と語り、敗北の経験すら次世代の資産へと還元する姿勢を鮮明にした。精神論に終始せず、失点後の守備隊形の立て直しや走塁判断の微細なエラーを徹底してデータ化し、選手主体のミーティングで言語化させるアプローチが同校野球部の伝統である。
一方のサッカー部もまた、強烈な個性を放つ。堅守速攻にとどまらない「チームの為に何が出来るか」を行動指針とした攻撃的サッカーを信条とし、ピッチ上の11人全員が連動して前線からプレッシャーをかけ続ける。第18回中国高等学校サッカー新人大会の準決勝では、1年生FW野田歩の電撃的な先制ゴールを皮切りに、MF山本結翔がスピード感溢れる仕掛けで攻撃を牽引。強豪・瀬戸内高校を6, 1というスコアで圧倒した。かつて全国高校総体で熊本の名門・大津高校と2, 2(PK 4, 5)の死闘を演じた試合に象徴されるように、全国の強豪と真っ向勝負を挑む勝負強さは代々受け継がれている。